組織活性化・人事評価コンサルティングレポート「医師のマネジメント」
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業種
病院・診療所・歯科
介護福祉施設
企業経営
- 種別 レポート
信頼のバロメーターは一人ひとり違う
- 組織の活性度は、意欲と満足によって測定される。
- 本レポートでは、組織活性化・人事評価のポイントについて、現場のコンサルティングの実例を踏まえてお伝えする。
一人ひとり、違うのだから
ある病院の院長がこんなことを言われていました。
「医師が約50人いるけれどもマネジメントって結局のところ僕と、医師一人ひとりとの関係性なんだよね。一人ひとりが僕のことを信頼してくれているか。信頼のバロメーターは一人ひとり違うのだから、大変でも一人ずつ向き合わないといけないんだよね。」
また、このようにも言われていました。
「診療科が同じで役職も同じ部長の医師であったとしても、期待することが違うことだってある。多様性を認めるってこういうことなんだと思う。」
とてもシンプルですが、マネジメントの本質のように思います。
個別マネジメントが一人ひとりの力を強くする
マネジメントと言ったとき、その単位は、会社全体や組織全体、チーム全体といった単位について考えたり手を打ったりすることがほとんどです。
それはそれで必要ですし、否定されるものではありませんが、それだけで万事対応できるという万能なものではありません。
「全体としてはこうなんだけど、それを踏まえた『○○さん用』の期待、テーマ、接し方はこうなんだよね」というような、個別マネジメントが一人ひとりの力を強くします。
コーチにしても、教師にしても、30人を見るよりは1人を見たほうが、密度が濃い指導がなされるように、です。
管理職の「味」が出る
個別マネジメントの具体的な取り組みとしては、1on 1ミーティングや人事評価の個別評価+面談などが代表的です。
目標設定においても、よくよく考えれば、一人ひとりに違ったテーマやアプローチが見えてきそうです。
日々の承認の仕方や個々への関係性の築き方も、そうでしょう。
こうした一つひとつに管理職の「味」が出てきます。
同時に管理職の力量によって、マネジメントの成果に「差」も出てくるでしょう。
やはり人間性を含めた管理職のマネジメント教育は必要です。
経営に必要な3つの眼
経営には、
- 鳥の眼(鳥のように、高いところから全体を俯瞰する眼)
- 魚の眼(魚(うお)のように、潮(時代や市場)の流れを読む眼)
- 虫の眼(虫のように、小さな目で物事の状況をみる眼)
の3つの眼が必要だと言われます。
マネジメントに置き換えてみても、鳥の眼に加え、魚の眼・虫の眼が必要なのだと、この院長に改めて気付かされました。
レポートの執筆者
高園忠助(たかぞの ただすけ)
株式会社 日本経営 組織人事コンサルタント
2006年4月入社。病院・介護福祉施設への組織・人事全般が専門分野。2014年11月よりクラウドサービス「人事評価Navigator」の開発に着手し、開発責任者、事業開発責任者となる。2017年4月からの1年間医療機関に出向し、収益改善、組織改革、建替基本構想策定を実施。2018年10月福岡オフィス長に就任。
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